特別企画
 クロ157を見た日

お召し電車の走った日
昭和62年6月16日


当時大学生だった私は、鉄道趣味の方はほとんどお休み状態で、時折撮影会に行く程度だったが
あまりの人の多さとマナーの悪さ(親子連れが機関車の前で記念写真撮ろうとするだけで罵声が
飛ぶんだもんなあ〜)に嫌気がさして、前からやりたかった航空機写真 へとのめりこんでいた。
幸い首都圏には私の住んでいた世田谷から小田急一本で通える厚木や横田、入間、かなり遠いが百
里など恵 まれた環境だった。また、人の多いホームでカメラを構えるのが当時は気恥ずかしかっ
 
いまでは帰宅ラッシュの夜の駅でも絡んでくるヨッパライをものともせずホームで三脚立ててバルブ
撮影なんてしょっちゅうだが・・・・。                           

そんなとき、フジテレビの夕方のニュースで当時の昭和天皇陛下が葉山の御用邸で静養されるために明日出発される、というのを
部屋で晩飯を食いながら聞いた。
「葉山かあ、じゃあクロ157だなあ。明日の午前中は必修科目の講義はないし久々にいってみ
ようか」と即原宿行きを決定した。                                          

 翌朝、原宿駅に降り立つとすでに代々木寄りのホーム先端は同業者がちちらほら。挨拶して場所を確保、雑談しながらひたすら待 
つ。遠くに見える宮廷ホームにはこの時点でまだ列車は入線していない。                         
  この間、構図確認のため何枚か写真を撮っているが、今はなき山手線の103系高運転台車や65の500番台牽引カモレ、クモヤ・ 
クルの事業用車の写真が残っている。                                         
 

そうこうするうち徐々に人が増えて、代々木寄りのホームの先端はファンでいっぱいになっていた。そこへいきなり警察官が登場。
にこやかに、                                                    

警官「みなさんお召し列車撮られるんですかあ?」

一同「はーい」                

    警官「すみませんが、念のために身分証みせてくださーい」

とチェックがはじまった。                                              

「おっ、君高校生じゃないか。学校はサボったのか?ダメだぞー」などと明るく話し掛けながらホーム端にいた全員の身分証を確かめ
て和気あいあいのうちにチェックは終了した。(なんだかなあ)                              

 

ゆっくりと渋谷方向から原宿宮廷ホームへ入線する   
クロ157−1。このときまだ、車体側面の「菊の御紋章」は
取り付けられておらず入線後直ちに取り付けられる。  

「来た!」の声に振り向くと、渋谷方向からゆっくりと185系がやってくる。中間に1両だけ前後の車両と塗り分けの違う車両が連結
 されている。はじめてみる貴賓車クロ157−1だ。ぴかぴかの白い車体は塗装こそ変更されたものの、小さいときに「学研の図鑑」
 で見たそのままだ。ゆっくりと我々の前を通過し宮廷ホームに滑り込む。車内はカーテンが下ろされていて見ることはできなかった。



原宿宮廷ホームに停車中の同列車。        
すでに両陛下が乗り込まれて発車直前のショット。



正午ごろ、列車はゆっくりと発車した。

昼近く、原宿駅前の通りでわっと歓声が上がる。両陛下がお着きになったようだ。線路際に立てられた看板の隙間から
日の丸の小旗がゆれている
のが見えた。そして程なく、両陛下が乗り込まれた列車は宮廷ホームを発車、再び我々の前をゆっくりと通り過ぎてゆく




そのまま渋谷方面へ走り去っていった。ちなみにこのときの
クロ157−1の写真はなんだかおそれおおいような気がして
撮っていない。(ホントにそう思ったのだ!!)         
今にして思えば残念だが、おかげで昭和天皇陛下の後ろ姿
が拝見できたのでよしとしよう。                 



今上陛下はご静養は新幹線で那須にいかれるため最近は走ったという
話をあまり聞かないが、
是非もう一度撮影してみたいものである。    
それと、何といっても見てみたいのは、ロイヤルエンジンEF58−61の引く
一号編成だ。しかしこれも私の住んでいるところは新幹線・飛行機ともに
あるので首都圏にでも住んでいないとなかなか難しいだろうなあ。   



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